
| 2003.10.20 |
<馬を止める男!!> ちょっと前の出来事。 いつものように職場に行くと、 ルンルン気分の同僚の姿がありました。 「どうしたんスか?そんなに浮かれて。」 「おぉ。実はな。乗馬クラブに通うことになったんだ。」 ほうほう。 そういえば前から馬に乗ってみたいと言っていたような。 犬飼ってたりと結構動物好きな人だから、 馬に乗るのも憧れるんだろうなぁ〜。 「へぇ〜、あれ本気だったんスね。」 「あぁ、本気だ。俺は絶対に馬を止めてみせる!!」 ・・・・・・ なんですと? 馬を止めてみせる・・・と聞こえましたが・・・ 「あ、あの、馬に乗りに行くんじゃ・・・」 「そう。馬を止めるためには、まず馬をよく知る必要があるからな。」 ・・・・・・・ だからなぜに止める必要が? 「俺はな。前から憧れてたんだ。」 「・・・・・・馬を止めることをっスか?」 「いや。馬を止めてヒーローになったヤツをだ。」 馬を止めてヒーロー・・・? 一体なんの映画を見たんだろう・・・ いや、 確か僕もそんな映画を見たような気がする 走ってくる暴れ馬の前に仁王立ちになり、 両手で頭を掴んだかと思うとそのまま背中にに飛び乗り、 馬をなだめてゆっくりと降りてくる。 そして、その場にいた人達から拍手と声援が送られる・・・。 確かにヤツはカッコ良かった。 しかし、 こんな日本の街中で馬が暴れるような状況ってあるのだろうか? 「あの、憧れるのはなんとなく分かるんですが・・・」 「・・・なにがいいたい?」 「今時どこを馬が暴走するんです?」 「もちろん・・・・・・ココだ。」 ・・・・・・ 指を指したその先には、 6車線はあるオフィス街ど真ん中の道路があった。 んな無茶なっ!! 「一体どこの馬があんなところ暴れるんスか!!」 「まぁまて。よく聞くんだ。」 彼の話はこうだった。 大通りの真ん中を、 馬を運送中の車が走っていた。 しかし、その車はかなり古いタイプで、 柵の取り付け金具もかなりサビていた。 信号で止まっていたその車は青とともに走り出す。 その瞬間だった。 金具が弾け飛び、後ろの扉が開く。 馬は突然の光にビックリ! だが馬は直感していた。 その光の先には自由の世界が広がっているのだと! 馬は勢いよく飛び出した!! <うわ・・・お約束だ。> いつもの平和なオフィス街に悲鳴が轟く!! あまりの未知なる風景と、 洪水のように走る大量の車。 馬は混乱したあげく、 暴走を始めたのだ。 馬は車道も歩道も関係なく走り回る。 そこをたまたま歩いていた 女性がいた!! <男じゃダメなのか!?> 歳は20代前半だろうか? 少したどたどしく歩く姿は、 まだ仕事に慣れていないように見える。 おそらく この春ようやくこの仕事を見つけ、 右も左も分からないながらも 必至にがんばろうとしているのだろう。 その生き生きとした目からはそう感じとれた。 その女性は馬の足音が自分に近づいていることを察っしていた。 さっきまでの生き生きとした目はそこにはなかった。 馬の突進を見るや、ヘナヘナとその場にへたり込む。 もはや彼女の表情からは絶望の二文字しか読み取れない。 その場にいただれもが、 「彼女は死ぬかもしれない・・・」 そう感じていた。 まっすぐに突進してくる馬。 誰もが目を伏せる。 その時だった。 一人の男が 女性の前に立ちはだかったのだ。 「おっと、女性の前で暴れるのは ベッドの上だけにしな。」 <おい。それセクハラだろ?> 一言そういうと、なんとその男は、 飛び掛ろうとした馬の前足を、 両手で掴んだのだ! あれほどの速度で走ってきた馬が、 突然動きを止めた。 <普通吹っ飛ぶって!!> 周りの人々はゆっくりと目を開ける。 その場には血まみれで倒れている女性ではなく、 馬と力比べをしている一人の男の姿! だれもが信じられない光景だった。 <だろうな。> 「さぁ。お嬢さん。今のうちにお逃げなさい。」 <なぜにお嬢さん!?> 「あ、あの・・・」 「さぁ、早く。」 「あ、ありがとうございます!」 女性は近くにあるビルの中に身を隠す。 「お前もびっくりしただろう。いきなりこんな街中だからな。」 ひ、ひひーん (お、お前、俺の気持ちが分かるのか?) <会話してるよっ!!!> 「あぁ、俺も日本のクロコダイルダンディーとか、 ダンデライオン一座の座長とか言われた男だからな。」 <絶対嘘だ!!> ひひーん (そ、そうだったのか。すまねぇ、取り乱しちまって。) 「いいってことよ。さぁ、お前の主人が来たぜ。」 ひひーん (っふ・・・またあの檻の中か・・・) 「ま、ここよりいい所に連れていってもらえるだろうよ。」 ひひーん (そうかもな。・・・悪いな、世話になった。) 「お互い、強く生きていこうや。」 ひひーん (あぁ。・・・元気でな。) 馬は自分から車の中へと入っていく。 馬は一瞬後ろを振り向く。 男は軽く手を振る。 馬は一瞬「ふっ」と笑った・・・ような気がした。 <あんたナウシカより凄いよ・・・> その瞬間、 歩道から、ビルから、車の中から、 あらゆる場所から拍手と歓声が舞き起こった。 さっきまで隠れていた女性も 男に抱きつく。 <これが狙いか!!> 「本当にありがとうございます!!」 「おいおい、照れるじゃねぇか。」 「あなたがいなければ今頃どうなっていたことか。」 「なぁに。困っている女性を助けるのは当然のことさ。」 「あの、せめてお名前を・・・・」 「っふ、所詮俺は雇われの身だ。 語る名なんてないさ。」 <・・・ださ〜・・・> 「じゃぁせめて、ダンディー様と呼ばせてください。」 <ゲッツ!?> 「あぁ、好きにしな。」 <いいのか?ダンディーだぞ!?> 「あ、そうだ。今度俺と一緒に、 ベッドの上で暴れてみないかい?」 「まぁ、ダンディー様ったら、口がお上手。あはは。」 <口説いてるよ・・・> 「へへ。んじゃな。」 こうして男は、一人静かに職場へと戻っていった。 一人の女性を 、 いやオフィス街の平和を守ったその男の姿を、 誰もが忘れないだろう。 彼の名は、ダンディー。 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 長げぇよ・・・ 書くの疲れたよ・・・・・・ ツッコみきれねぇよ!! 疲れた・・・・・・ どっと疲れた・・・・・・ 彼の名はダンディー。 もし馬が暴れていたらこの名を呼べばいい。 「助けてダンディー!!!」 ・・・・・・ 僕は主張したい。 頼むから仕事させてくれ。 ダンディー。 |